RUN!RUN!RUN!
今日は、要塞にて獣使いの修行をしました。
おいらの獣使いのジョブレベルは58。要塞地下のボムだと大体200前後の経験値が狙えるレベルです。経験値に一定の時間ボーナスが付く指輪を使い、トータル3500ポイントぐらい稼ぎ、おいらはとても満足していました。
指輪の効力が切れ、そろそろ引き上げるかと思ったのですが、あと500弱程の経験値を稼げばキリの良い数字だったので、少しだけ狩りを続ける事にしました。
たった500程の経験値です。今までのペースで行けばなんら問題なく稼げます。
しかし、これが良くありませんでした。
そのわずかな経験値を稼ぐことにおいらは気持ちが急いていました。
レベルアップの前後で経験値ばかりに思考が向き注意力が無くなるという、いつもの悪い癖と同じです。
毎度の如く、獣使いの神様がおいらにいつもの戒めを下したのです。
三連コウモリをペットに従えて、地下奥にいるボムに戦いを挑んだとき事件は起こりました。
ケケケケ
聞きなれたくは無いけど、聞きなれた、骨系モンスターがこちらに敵意を現したときの声です。横を見ると、一体の骸骨がこちらめがけて走ってきます。
ガツン!!
鈍い金属の音とともに骸骨の装備している大きな鎌が、おいらに襲い掛かります。骸骨の強さを調べると、とても強い と表示されました。
回避の高いクロウ系の服を装備していても、レベル差なのでしょうか、その効力が発揮されません。
ガツン!!
また、ダメージを受けます。
おいらの頭の中で、なにが起こったのか分析が始まりました。
ピンチの時にはまず落ち着いて、状況を把握することが大切です。
ボムのいる場所には、ゴースト系と骸骨系のモンスターが居ます。
・・・スニークはかけたよなあ。
彼らは音に反応するので、スニークという足音を消す魔法を自分にかけておけば、近くを歩いてもこちらには気付きません。
・・・とすると、生体反応!!。
そこでようやく、おいらは自分のミスに気付きました。前の戦闘で削られたHPの回復を怠ったのです。
骸骨はいわゆるアンデッドと呼ばれるモンスター。瀕死の生き物が居れば、それを自分達の仲間にしようとする種族です。
FFXIにはHPを表すゲージがあります。
HPが潤沢にあり安全な状態ならピンク。
多少減り危険性があると黄色。
戦闘不能目前の瀕死の状態なら赤といった具合に、色とゲージの長さでPCのHPを表現しています。
アンデッド系のモンスターは、このHPゲージが黄色の時、自分達の獲物とみなし攻撃を仕掛けてくるのです。
すでにペットのコウモリはボムに攻撃をして、もう骸骨の相手をさせることは出来ません。切り替えを前提に考えていたので、ペットはあまり強くなく、ボムに間もなく潰されそうです。
そう考えている間も、骸骨はおいらに向かって鎌を振り下ろします。
ガツン!!
”死”
この文字が頭を過ぎります。
このまま死んでしまえば、せっかく稼いだ経験値を大幅に失います。獣使いでソロプレイをするときに一番大事なことは、戦闘不能を避けることです。なんとしても避ける事です。
・・・なんとか戦闘で勝つ可能性は無いのか?
他のペットを操って、骸骨にぶつけるか?
しかしそれだと、今ペットが相手しているボムがこちらにやってくる。
骸骨を一時的にペットに相手をさせても結果、ボムと対峙する事になる。やつの強さも”とても強い”だった。まともに相手にしては、絶対に勝てない。
戦闘案は否決されました。
・・・救援を呼ぶか?
いや、さっきペット候補をチェックしたときに、2組居たレベル上げのパーティはもう帰った後だった。
そうだ、フェローを育てる事を目的とした二人組がいたはずだ!!。
だけど今おいらの視界には彼らの姿は無い。壷(形状が壷のモンスター)を相手にしていたから、おいらが居る場所と対角の遠い場所にいる可能性が高い。大声を出して助けを求めたとしても、彼らが戦闘の最中なら救援は来ない。
救援案も否決されました。
・・・いよいよ残る選択肢は二つ。
A:このままここで屍となる。
B:逃げる。
ここでもまた考えます。
Aの場合、レイズを求める事が出来るのか?。
レベル上げも引き上げる時間帯。高レベルの白魔導師が偶然ここを通り過ぎるにはあまりにも遅い時間。午前1時を回っています。
同じ要塞でも、上のフロアで門の向こうに用事があるプレイヤーはいるかもしれないけれど、この地下の場所はレベル上げとセルケト以外に目的も無く、降りてくるのは床の穴に足を滑らせて落ちてくる間抜け以外にありえない。
さらに、その間抜けが白魔導師である確率は18分の1。パーセンテージなら約5.5パーセント。
いやまて、最近発表されたヴァナ・ディール国勢調査をみれば、全ジョブにおける白魔導師の割合は16パーセントだった。少し確率は高いか?。
いやまてまてまて、国勢調査では、たしかレイズ2を唱えられる56前後のレベル帯は、最も少ないレベル帯だったはず。ヴァナ・ディールでもっとも貴重なレベル帯。
じゃあ、やっぱり確率は低い。たぶん思ってるよりよっぽど低い。絶対的に低い。
・・・そうだ、セルケトだ。
セルケトはサソリのモンスターで、高性能装備の材料となる”劇毒サソリの爪”をドロップする、21時間~24時間隔で現れる貴重なモンスター。やつが出現してくれれば、その爪目当ての高レベル者がこの要塞の地下に集う。
つまり、高レベルな白魔導師もやってくる!!。
出でよ、セルケト!!!!。ト・・・ォォォ・・・ォォ・・・ォ・・・。
おいらの声が地下の乾いた空間にこだまします。
・・・そんなんで出てくるなら、知り合い全部呼んでとっくにセルケト倒してるだろ。だいたい出現誤差に3時間あるんだから、現れる時間帯ならとっくに狙っている猛者が集まってるよぅ。おいらのバカバカバカ、バカー。
また、おいらの頭に国勢調査が頭に浮かびます。
たしか”同時ログイン数の推移”の項目では、日本時間の日が替わり午前になると、ログイン数のグラフが急降下していたぞ。ますます、レイズ2の可能性が・・・。いやこの世の中にレイズ2なんて魔法が存在してるのか?。そんなのあったっけ?。
現実逃避をしそうになったおいらを、もう一人の冷静なおいらが引き止めます。
・・・まて、まだ手はある。
慌てて脳内でフレンドリストとLSにログインしてるメンバーリストを開きます。もう手動でで各リストを開く余裕はありません。
今ログインしてて、暇そうな・・・いやいや 助けに来てくださる白馬の王子ならぬ白魔導師様・・・。
そこまで考えたとき、
ガツン!!。
ケケケケ。楽しげに骨が鎌を振り落とします。
いつの間にかペットだったコウモリの力も尽き、振り返ると赤い顔をしたボムがこちらに向かっています。
気付けばHPゲージもピーンチ、ピーンチ、ピーンチ!!。
B:逃げる。逃げる。逃げる。逃げる。逃げるぅ~!!。
逃げる以外に有り得ねえだろ。うわあああああん!!。
おいらはあわてて逃げ出しました。目指すは地上、出口です。言い方を変えれば、入り口とも言います。
ここで問題です。
Q:坂の多い街で知られる長崎県長崎市ですが、上り坂と下り坂どちらが多いでしょう?
A:同じ数
そんなどこかで聞いたインチキクイズが頭に浮かんできました。
いやそんなクイズはどうでもよいのです。また現実逃避を求めるおいらが変な事を考えています。とにかくソロムグ原野に出るのです。それ以外考えてる場合では無いのです。原野ですよ原野!!。
上のフロアに登る階段には格下のコウモリが多数。ここぞとばかりにおいらに襲い掛かります。
人気芸能人や一流スポーツ選手を追うバイクのパパラッチの如く、大きな事件を起こした容疑者を追うマスコミの如く、コウモリはどんどん増えておいらを追ってきます。
数々のダメージを受けながら、ようやくこれを上れば地上という階段までやってきたとき、30代と思われるレベル上げのパーティに出くわしました。もう、テンパッてイッパイイッパイのおいらです。
どけどけどけええええええええ!!。
と叫びたいのが本音でしたが、やはりここは出来るだけのマナーです。彼らに叫びました。
すみませーん。逃げてマース。ごめんなさーい。
その人達が日本語が通じる相手かどうかもわかりませんが、そんな余裕おいらにはありませんでした。
フッと画面が暗転。
・・・画面の隅にダウンロードの文字。
目の前には何事も無かったと思わせるほどの、晴れ渡ったソロムグ原野の景色。
助かった・・・。
安堵の気持ちになったのもつかの間、出口手前でレベル上げをしていた彼らに迷惑をかけてないか、不安になりました。
すぐ要塞に戻ると、彼らは何事も無かったようにレベル上げを続けていました。どうやら、致命的な迷惑は避けられたようです。
少し前のバージョンアップのMPK対策で、モンスターがその敵対心の対象となるPCが同じエリアから出てしまうと、敵はその場で消えて、元のポップ位置に戻るといった仕様変更が、おいらを助けてくれたようです。
それがなければ大量殺戮犯とおいらはなっていたかもしれません。
やっと本当の安堵がおいらに訪れました。
・・・長々となりましたが、つまり今日の話は『油断大敵』という話。
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