思い出話#7コウモリの翼
南サンドリアは今日もにぎやかで、沢山の人々が行きかっています。
なかには見た事もないような装備をつけている人たち。今考えれば、それらの装備はすべて合成によって得た装備だったのですが、そのころのおいらは、みんな町の武器屋・防具屋でそろえているとばかり思っていました。
しかし、PCははじめ無一文でこのヴァナ・ディールに降り立ちます。
いくら、戦闘でちまちま獣人からギルを得ても、町のNPCの売っている装備は、永遠に買えないんじゃないかと思うぐらい、高嶺の華でした。
なんとか、ギルを…。
そこで、北サンドリアのNPCが出すクエストに目をつけました。クエストの内容は、コウモリの翼を持ってくれば、200ギルと交換してくれるものです。
最初のころ、東ロンフォールの南にあるランペールの墓にこの翼目当てに幾度も通いました。墓のダンジョンには、昼夜関係なく常時コウモリが飛んでいるからです。
おいらのサンドリアの名声を一番高めたのは、このコウモリの翼クエが一番貢献していると思います。
…そして、このクエストは、おいらのなかでちょっとした思い出があります。
ある日、偶然コウモリの翼を手に入れ、このクエストを思い出したのですが、その出題したNPCがサンドリアのどこにいるのかわからず、右往左往していたのです。
一時間程探したのですが見つからず、結局町を行きかう人に聞くことにしました。
近くに居たタルタルのFさんに聞いてみること、
Fさん「それは、北サンドリアのNPCですね。」
…北サンドリア…。
おいらは、ずっと南サンドリアを探していたのです。なるほど見つかるはずありません。
おいらがお礼を言おうとすると、それより先にFさんが、
Fさん「ついてきて、こっち。」
Fさんは親切に、こんなおいらを案内してくれたのです。しばらくすると、北サンドリアのNPCのところに着きました。
Fさん「この人だよ。」
おいら「ありがとう。助かりました。」
ようやく、おいらのコウモリの翼を換金できます。まだ操作に慣れていないおいらは慎重にそのNPCにカーソルを合わせ、コウモリの翼をトレードします。
………。
反応がありません。
もう一度試してみますが反応がありません。
NPCに話を聞くと、なんとコウモリの翼が2枚必要と言うではありませんか。おいらは、コウモリの翼1枚しかトレードしていなかったので、うまくいかなかったのです。そして、おいらはコウモリの翼を1枚しか持っていないのです。
そのころの200ギルの価値はとても大きく、それが手に入らないショックは計り知れないものでした…。200ギルを期待していたおいらは、とてもがっかりしてしまいました。
途方にくれたおいらの様子を見ていたFさんが、
Fさん「これあげるよ。」
とトレードしてきました。
見るとそれは、コウモリの翼。
でも、これは一枚100ギルの価値のある高価な代物…。受け取るのに戸惑っていると、
Fさん「いいのいいの。気にしないで、私は、このクエ何度もやってるから。」
おいら「うわーん。ありがとうございます。」
受け取った200ギル以上に、なにかを得た感じがしました。去っていくFさんを見送りながら、まだ操作に慣れていないおいらは、うまく感謝を伝える事ができなかったけど、心の中でなんども感謝の言葉を言いました。ありがとう。ありがとう。
あの出来事は、FFXI黎明期のひとつ。
あれからずいぶん時間が経って、きっとFさんは、もうその事も、おいらの事も覚えていないと思うけど、ヴァナでFさんとすれ違うたびにその時の事を思い出すのです。
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