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2002年6月 5日 (水)

思い出話#7コウモリの翼

南サンドリアは今日もにぎやかで、沢山の人々が行きかっています。

なかには見た事もないような装備をつけている人たち。今考えれば、それらの装備はすべて合成によって得た装備だったのですが、そのころのおいらは、みんな町の武器屋・防具屋でそろえているとばかり思っていました。

しかし、PCははじめ無一文でこのヴァナ・ディールに降り立ちます。
いくら、戦闘でちまちま獣人からギルを得ても、町のNPCの売っている装備は、永遠に買えないんじゃないかと思うぐらい、高嶺の華でした。

なんとか、ギルを…。

そこで、北サンドリアのNPCが出すクエストに目をつけました。クエストの内容は、コウモリの翼を持ってくれば、200ギルと交換してくれるものです。

最初のころ、東ロンフォールの南にあるランペールの墓にこの翼目当てに幾度も通いました。墓のダンジョンには、昼夜関係なく常時コウモリが飛んでいるからです。
おいらのサンドリアの名声を一番高めたのは、このコウモリの翼クエが一番貢献していると思います。

…そして、このクエストは、おいらのなかでちょっとした思い出があります。

ある日、偶然コウモリの翼を手に入れ、このクエストを思い出したのですが、その出題したNPCがサンドリアのどこにいるのかわからず、右往左往していたのです。
一時間程探したのですが見つからず、結局町を行きかう人に聞くことにしました。

近くに居たタルタルのFさんに聞いてみること、

Fさん「それは、北サンドリアのNPCですね。」

…北サンドリア…。
おいらは、ずっと南サンドリアを探していたのです。なるほど見つかるはずありません。
おいらがお礼を言おうとすると、それより先にFさんが、

Fさん「ついてきて、こっち。」

Fさんは親切に、こんなおいらを案内してくれたのです。しばらくすると、北サンドリアのNPCのところに着きました。

Fさん「この人だよ。」

おいら「ありがとう。助かりました。」

ようやく、おいらのコウモリの翼を換金できます。まだ操作に慣れていないおいらは慎重にそのNPCにカーソルを合わせ、コウモリの翼をトレードします。

………。

反応がありません。
もう一度試してみますが反応がありません。

NPCに話を聞くと、なんとコウモリの翼が2枚必要と言うではありませんか。おいらは、コウモリの翼1枚しかトレードしていなかったので、うまくいかなかったのです。そして、おいらはコウモリの翼を1枚しか持っていないのです。

そのころの200ギルの価値はとても大きく、それが手に入らないショックは計り知れないものでした…。200ギルを期待していたおいらは、とてもがっかりしてしまいました。

途方にくれたおいらの様子を見ていたFさんが、

Fさん「これあげるよ。」

とトレードしてきました。
見るとそれは、コウモリの翼。

でも、これは一枚100ギルの価値のある高価な代物…。受け取るのに戸惑っていると、

Fさん「いいのいいの。気にしないで、私は、このクエ何度もやってるから。」

おいら「うわーん。ありがとうございます。」

受け取った200ギル以上に、なにかを得た感じがしました。去っていくFさんを見送りながら、まだ操作に慣れていないおいらは、うまく感謝を伝える事ができなかったけど、心の中でなんども感謝の言葉を言いました。ありがとう。ありがとう。

あの出来事は、FFXI黎明期のひとつ。
あれからずいぶん時間が経って、きっとFさんは、もうその事も、おいらの事も覚えていないと思うけど、ヴァナでFさんとすれ違うたびにその時の事を思い出すのです。

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2002年6月 4日 (火)

思い出話#6夜の森

やがて日は落ち、ロンフォールの森に夜が訪れました。

エル男Aとタル女Cとおいらのパーティーは、西ロンフォールから東ロンフォールへと続く峠を見つけました。

峠を越えると、そこには西と同じような森が広がっています。しばらく3人で、西と同じようにモンスターを倒しながら進みます。
レベル的には西と同じぐらいの強さなので、3人であれば安定して探検が出来そうです。

「あれ、なんだろう?」
エル男Aが言います。
「初めて見るモンスターだ。」
おいらが言います。

視界の先に黒い犬か狼のようなモンスターが居ます。直感的に、リビングデッド系のモンスターであること感じました。

エル男A
「やってみる?^^。」
タル女C
「やる~。」
おいら
「OK。」

エル男Aが、攻撃を仕掛けます。
すぐさまタル女Cが、ストーンを唱えます。
おいらは、二人のHPに気をつけながら、ケアルを唱えます。

初めての敵という事もあって、なかなか強そうに見えます。もしかしたら、なにか特殊な攻撃をしてくるかも知れません。
そんな、不安と緊張のなかの戦闘。

キャイィィン…。

敵は、犬が逃げるときの弱腰の声と共に倒れました。おいらたちの勝利です。
するとメッセージ欄に、

[敵は反魂樹の根を持っていた。]

エル男Aのジョブがシーフなので、アイテムがドロップしやすいようです。

おいら
「なんだこれ?ハンコンジュ?。」
タル女C
「なんにつかうんやろ?。」
エル男A
「さあ…?」

使用目的不明な、不思議なアイテムです。
おいらは、その”反魂樹”という名前にとても特別なというか、ファンタジー性というか、異世界の雰囲気を感じました。とても好きな感覚です。
アイテムロットして、反魂樹の根はタル女Cの手に渡りました。

おいら
「いいなあ~。」

そのアイテムの名前に魅かれたおいらは、使い方もしらないのに、もう一匹出ないかな?と密かに思っていたのですが、その後この冒険では、その黒い犬のモンスターには出会いませんでした。

ところで、このPTを組んでいる3人の戦闘作戦は、

エル男A・シーフ・全力で殴る。
タル女C・黒魔導師・全力で攻撃魔法を唱える。
おいら・白魔導師・全力でケアルを唱える。

と言った単純なものでした。
このころのおいらたちは、ヘイト(敵対心)なるものの存在をよく解っておらず、ただただ全力投球の戦闘を展開していました。

こんな戦闘では、当たり前ですが黒魔導師の敵対心が大きくなり、敵はタル女Cにへばりつきます。
それでも、おいらのケアルなどであまり危なげなく戦闘をこなし勝利してきました。
いや、実際は危なかったのかも知れません。でもその時はその危険性よりも、3人での快進撃に酔いその事に気づかなかったのです。

いつしか、3人はこのエリアでは勝てない相手はいないという変な自信を持っていました。

…そんな時

タル女CのHPを示すゲージが瞬く間にゼロになりました。戦闘不能です。タル女Cはすぐに、その場から消えました。ホームポイントに戻ったのです。

残されたおいらとエル男Aは、からくも勝利しましたが、その自分達の置かれた状況に愕然としました。

タル女Cは同じエリアには居ません。
表示を見ると、西ロンフォールに居るようです。
そういえば、しばらく前に西ロンフォールのアウトポストで3人ともホームポイントの設定をしたのでした。

タル女C
「ここ?どこ?。」
戦闘不能で急にホームポイントに飛んだので、軽いパニックに落ちているようです。

エル男A
「西ロンフォールだよ!。いまから行くから待ってて。」

タル女C
「ごめーん。急いでそっち行くから待ってて。」

どうやら、タル女Cは西ロンフォールから、おいらたちがいる東ロンフォールに合流しようとしています。

おいら
「だめだ。危険だよ。1人じゃ危ない。」

3人のPTで進んだから、こんなに遠くまでこれたのです。でも1人ではロンフォールの森は危険すぎます。

エル男A
「タル女C。そこで待ってて。」

タル女Cはエル男Aの制止を聞いて、なんとかアウトポストに留まってくれました。

おいら
「迎えに行こう。」

おいらとエル男Aは今来た道を帰り、西ロンフォールとの峠を目指します。

おいら
「戦闘は無しで進もう。」
エル男A
「うん。」

3人で来た時は安全でしたが、今は二人。
しかも、攻撃の要の黒魔法を使えるタル女Cは遥か西ロンフォール。
このまま何かと戦闘を起こせば、二人とも戦闘不能の可能性が高い状況です。

たった一人欠けただけで、さっきまでの自信に満ち溢れた冒険者から、ひたすら敵に見つからないように逃げるように進む臆病者に変わったのです。
周りの敵がすべて自分達の死の影に見えます。
そんな影におびえ、エル男Aの背中を必死に追いかけるタルタルのおいら。

峠を越えやっと西ロンフォールに入ると、タル女CのPTステータスも復活して、同じエリアにいることを確認しました。
でもまだまだアウトポストは遠くにあります。夜の森は暗く、動く物の影に怯え迂回しながら、進んでは立ち止まり、周りを窺い、安全を確認し、ジリジリと進みます。
今思えば、峠からアウトポストまでの距離はたいしたものでもないのですが、その時の森の道はとても長く感じました。

タル女C
「(二人が)見えた~!!。」

アウトポストの方を見ると、タル女Cが駆け寄ってきます。やっとタル女Cと合流です。とりあえず一安心です。3人ならこのエリアでは無敵です。

落ち着きを取り戻し、エル男Aが
「今度は、南に行ってみる?^^」

3人は南に駆け出します。
でも、さっきまでの3人とは違います。
過信が戦闘不能と紙一重であることを学び、レベルアップした3人なのです。

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思い出話#5水色の真珠

南サンドリアの街は今日も賑やかで、色々な人々が行き交っています。
立ち話を楽しむ人。冒険の旅に出ようと準備をしている人。なにかクエのために人を集う人。

その中で、頭の上にある自分の名前の先頭に、茶色い小さなアイコンをつけてる人々がいます。良く見れば、革か布製の袋の様なマーク。
ヴァナに降り立ち間もないおいらには、ナンジャラホイ?な印です。

聞けば、それはバザーの印だとか。なるほどなるほど。これで、アイテムの売買をするわけですね。
まだこの時期は競売が稼動していなく、プレイヤー同士の経済活動はバザーに頼っていた時代でした。

ウィンドウショッピングのように、その小さな茶色い袋のマークを付けた人々の商品を何を見て回ります。

何に価値があり、何に価値がないのか皆目検討もつかず、所持金の少なさから全然購入には至りませんでしたが、展示している様々なアイテムを眺めるのはとても楽しいものでした。

さて、茶色い袋のマークを覚えたら、今度は様々な色をした丸い玉みたいな物を名前の先に付けている人達がいます。またもナンジャラホイ?な印です。

調べてみても、バザーではなさそうです。

まあいいや。そのうち分かるだろう。

楽観的にそのきれいな玉の事は気にせず、いつものように西ロンフォールに出かけていきました。

西ロンフォールに出ると、たくさんのPCがウサギや甲虫を相手に戦闘を楽しんでいます。ふと、またパーティを組んでみたくなり、2日目にフレンドを登録したタル女Cを捜し始めました。

捜し始めたといっても、彼女がログインしているか分かりません。
今ならフレンドリストを見て、すぐにログインしてるかどうか確かめて、声をかけることは出来るのですが、その当時のおいらはシステムをよく理解していなく、検索からエリア検索が出来ることを偶然見つけ、サンドリアとその周辺を捜して行きます。

サンドリア国内エリアを検索した後、西ロンフォールを検索すると、タル女Cを見つけました。

マニュアルを見ながら、

ええと。 スラッシュの後に t e ll 名前 と・・・

繰り返しますが、この当時はよくシステムを理解していなく、サーチからダイレクトにtellできる事を知らず、たどたどしく手動でコマンドを入力していました。

/tell タル女C こんにちは

返事がありません。
いないのかな?と思いもう一度呼びかけようとしたとき、返事がありました。

タル女C「こんにちは~。」

おいらが、今どのあたり?と聞くと

タル女C「西ロンフォール。」

と返してきます。

いや、そりゃ分かってるんだけどさ・・・と思いつつも、場所を聞くにもチャット技術が不足しているのと、座標を表すコマンドすら知らなかったので結局会話から居場所を特定するには至りませんでした。

そのうち会えるだろうと、彼女を捜しに森へ進みました。

・・・10分程捜したでしょうか?やっとタル女Cを見つけました。
彼女は一人ではありませんでした。

彼女の隣には、初めて見る背の高い男のエルヴァーンの姿がありました。タル女Cがタルタルの中でもSと一番小さいサイズなので、際立って大きく見えます。

タル女C「もみじ。なにしとるの?」

いや、捜してたんだけどさ・・・。と思いつつも、そのエルヴァーンに挨拶をしました。どうやら彼は、タル女Cの知り合いの様です。名前はA。例によってこの日記での表記はエル男Aとします。

タル女C「もみじ、こないだと服が違う!!。」

南サンドリアの道具屋で、無理して購入したローブに彼女が気付きました。

おいら「店で買った。」

タル女C「いいなあ、うちも欲しい。」

こないだは気付きませんでしたが、彼女は関西弁です。

さっき買ったばかりのローブをいきなり自慢出来てとてもうれしいです。これで、このローブは役目を達成しました。350ギルもの大金をハタイタ甲斐があったというものです。
・・・このタル女C以降まったくこのローブを誉めてくれた人はいませんでしたが・・・。

エル男Aは言いました。

「パーティ入る?。」

二人はパーティを組んでいました。
話を聞くと、彼はおいらよりも少し前、発売直後にこのヴァナ・ディールに降り立ったようです。日数的にはせいぜい10日前後の差ですが、その時のおいらには、彼が、ずっとこの世界に精通している様に思えました。

パーティを組みたかったおいらは、早速入れてもらいました。

エル男Aはシーフ
タル女Cは黒魔導師
おいらは白魔導師という構成です。

エル男Aがウサギに戦闘を開始しました。
初めてパーティを組んだときのあっという間に森のオークに敗北した事が頭に思い出されます。

今度は大丈夫かな?

すかさず、タル女Cがストーンという魔法で大きな岩をウサギにぶつけます。
ウサギはそれに怒ったのか、エル男Aからタル女Cに向きを変え、すごい勢いで突進してゆきます。
ウサギの攻撃を受けたタル女CのHPが、見る見る減っていきます。

おいらは、慌ててターゲットのカーソルをタル女Cに合わせ、白魔法のパレットを開き、ケアルを選び唱えます。
白い柔らかな光がタル女Cを包み、HPが回復しました。

その直後、ウサギは倒れました。

おいらは驚きました。
ソロでプレイしているときとは明らかに戦闘にかかる時間が短いのです。文字通り”あっ”と言う間でした。

パーティだとこんなに強いのか。

二人は言います。

「もみじ、すごーい。」
「ケアルすごいな。」

おいらにはよく分かりませんでしたが、二人はそれまで回復手段無しで戦っていたので、おいらのケアルにとても喜んくれました。
人の助けになればと白魔導師を選んだおいらです。その言葉がとてもうれしく感じました。

これが、おいらの・・・白魔導師の力なんだ。

ソロで戦闘をしているときは、タイミング悪く敵の攻撃を受け、ケアルの詠唱を中断させられ、そのまま戦闘不能になってしまう事も珍しくなかった白魔導師。

FFXIはとても難しいゲームだ。

プレイし始めてしばらく、そういう印象を強く持っていました。
それは、後に他のジョブを少しばかり体験することで解かったのですが、白魔導師が攻撃力にあまり優れず、防御面でも弱いといった、ジョブ独自の難易度が大きかったのです。
回復のエキスパートのジョブなので、当たり前と言えばそうなのですが、その頃のおいらは、どんなジョブでも序盤はある程度行けるだろうという勝手な思い込みを持っていたので、それに気付きもせずに難しいと考えていたのです。

西ロンフォールに、黄昏の時間が訪れています。夕日が、優しい木洩れ日となって、キラキラしています。

そんな景色の中、さらに戦闘は続きます。
エル男Aが、戦闘を開始するのを合図に、タル女Cが黒魔法を唱えます。おいらはケアルをMPの限り唱えます。キノコやオークを次々倒して行きます。

ソロには無いそのスピーディな戦闘に、おいらはとても興奮していました。そして、なんともいえないパーティ独特の連帯感みたいなものに、おいらはハマって行きます。

すごい!!。強い!!。楽しい!!。

このまま3人で行けば、どんな敵でも倒せるそんな気にさえなりました。

しばらく戦闘をこなし、ヒーリングをしているときに、

「もみじ、これあげる。」

エル男Aが、そう言ってトレードを申し込んで来ました。

それは、小さな水色の丸い玉でした。
そう、サンドリアの町で見たあの様々な色をした玉です。

トレードを終了すると、エル男Aが簡単に説明してくれました。

「リンクパールっていうやつなんだけど、付けてる人だけで会話できるんだよ。」

おいらが、玉だと思っていたのは実は真珠だったのです。
そのパールは薄い水色で、青よりは白に近く透き通ったきれいな色をしていました。
見よう見まねでそれを身に付けると、二人の声が今までとは違う緑色をした文字で表示されました。

よく見るとパールにはD*****と名前があります。

どうやらこれは、このリンクシェルなるものの名前で、いわゆる××部とか××サークルとかいう感じでグループの名前のようです。
リーダーはもちろん彼。エル男Aです。

(申し訳ないのですが、PCの名前同様今現在も活動を続けているプレイヤーを考慮して、LSの名前も頭文字だけの表記にします。)

これが、おいらにとって初めてのリンクシェルとなりました。
それは、おいらにとって仲間と呼べる人達が初めて出来た瞬間でもありました。

「エル男A。ありがとう!!。」

4年たった今でも、エル男Aにパールをもらった時の感動を覚えています。
思い出に順位は無いと思うのですが、それでもあの時の気持ちは、ヴァナ・ディールに滞在した時間の中で間違いなく上位に数えられます。あの瞬間が無ければ、今のおいらも無かったでしょう。本当に素敵で素晴らしい出来事でした。

おいらは、自分の名前の先に付いた水色の真珠を、しばらくポーッとながめていました。

「次、行こう!!。」

エル男Aが立ち上がり、近くのキノコに戦闘を開始します。
これからの戦いは、仲間と一緒です。
その仲間を守るために、おいらのケアルがあります。
そんな強い決意を胸に秘め、おいらはヒーリングから立ち上がり、3人のHPゲージに集中します。

ヴァナ・ディールに来て4日目の出来事でした。

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▲記事の内容の時よりしばらく後のおいらの姿。
まだ、スクエアエニックスになる前の会社名の表示が懐かしいですね。

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思い出話#4緑から茶色へ

FFXIにログインしてから4日目です。
まだまだ分からないことだらけのヴァナ・ディール。

サービスが始まったこの頃はメンテナンスが多く、とある情報を調べてみると、2002年の6月3日は24時間メンテナンスがあったみたいです。
たしかに当初は、いきなり緊急メンテナンスが入り、プレイを数時間中断するなんてのは当たり前の感さえありました。
今年の(2006年)4月にアトルガンの秘宝が拡張された時に、なかなか手続きが完了しなかったり、短いスパンでのメンテナンスが多かったりしたときに、その初期の頃のヴァナ・ディールを思い出した人も多かったのではないでしょうか。

ということで、プレイ日数的には3日目ですが、日付は6月4日の事。

まだ、レベルの幼い白魔導師のおいらは、目的も無くサンドリアの街をぶらついておりました。街は、まだまだ新米冒険者が多く、今のアルザビやジュノの様に人であふれていました。
どこからともなく、おいらの体が光のシールドの様な物に包まれ、物理防御力が上がります。
白魔法プロテスです。

近くの白魔導師さんが、道行く人に片っ端からかけています。噂では、これを辻プロテスと呼び、かけられた側はプロテスの効果があり、かけた側も強化魔法のスキルアップが期待でき、お互いにメリットがある助け合いのようです。

FFXIは”絆 ”なるものをテーマにしているらしいのですが、こういう繋がりも絆なんだろうなあと、関心していました。

同じ白魔導師ですが、まだおいらはその魔法を覚えていませんでした。いつかは、おいらも辻プロテスをかけて冒険者の役に立ちたいなあと憧れたものです。

町をぶらついて思うのは、物価の高い事。

おいらは、タルタルという種族なのですが、その初期装備が緑色を基調とする服で、その色がいかにも初心者若葉マークをかもし出しています。
周りを見れば、おいらと同じように始めたばかりの人も多く、恥ずかしい事でもないのですが、そのときのおいらは、

早くなんか別の物装備したいな。

と思っていました。

少し先に始めているPCは、茶色のいかにもRPGに登場してきそうな装備を身につけていて、それだけで強そうな風格が漂っていたのです。当時のおいらには、とてもカッコよく見えました。

南サンドリアにある道具屋にて、レベルの低い白魔導師が装備できる衣装を見つけました。茶色を貴重とした布製の洋服。ローブです。

Ffxi20060619145018c

道具屋の店員のお姉さんに値段を聞くと、350ギルと言います。
(※今調べると240ギル前後で販売しているようですが、おいらの記憶では350ギルぐらいで売ってた記憶があります。後に修正が入ったのか、それともおいらの記憶違いかは分かりません。)

FFXIで、ヴァナ・ディールに初めて降り立ったときのPCの所持金は0ギル。無一文からのスタートです。
この時のおいらの所持金は大体400ギル前後だったと思います。
なんとかやさしいクエストを数回こなし、ちまちま稼いだお金です。

ローブ欲しい・・・。

しかし、買えば今まで貯めたギルの大半が吹っ飛びます。
プレイを始めて延べ3日で400ギル。一日の平均の稼ぎは約133ギルです。陳列された他の品物を見れば、1000ギルどころか、1万ギルを越すものさえあります。

1万ギルのものを今のペースで貯金していった場合、約75日かかります。人の噂が消えるぐらい長い時間が必要です。

今、ガマンして後の大きい買い物のために貯えるか・・・。
それとも、レベルが上がるころには自然にギルを手にしていることを期待し、この誘惑に身を任すのか・・・。

黒の悪魔の格好をしたおいらの化身が、耳元で囁きます。

買っちまえよ。欲しいんだろ。買えば表を堂々と見せびらかして歩けるぜ。

白い天使の格好をしたおいらの化身が、耳元で囁きます。

だめだよ。今無駄遣いしたら、後で何か必要なときに困っちゃうよ。

そんな、三者会談した小一時間の末・・・。

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・・・おいらは茶色い服を身にまとっていました。

ローブ Lv1装備 モ白黒赤シ暗吟狩 防御3

Ffxi20060619145018b

素敵です。元のタルタルカフタンという服より、防御が1も高いです。
とても強くなったような気がしました。これで、正真正銘の冒険者です。ひ弱なおいらとは今日でサヨナラ。堂々と表も歩けます。

・・・自分のとった行動ではあるのですが、なぜあの時こんな格好をしていたのか未だに謎です。
茶色いローブに緑色のパンツ。なんとセンスの無かろう組み合わせ。ピーコやドン小西にダメだしされても仕方の無い、いや当然の姿です。

そんな事にも気付かない魔法があるのが、ヴァナ・ディール。
当時のおいらは無駄遣いにも気付かずに、喜び勇んでロンフォールの森へ繰り出して行ったのでした。

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2002年6月 2日 (日)

思い出話#3 はじめてのparty

FFライフ二日目にはもう一つ出来事がありました。

初めてパーティを組んだのです。

場所は西ロンフォールの森の中。レベル2か3ぐらいだったと思います。
おいらは、ふとパーティプレイを試してみたくなりました。
近くを見れば同じぐらいのレベルのMさんがいます。おいらは、声をかけました。

Mさんは快くおいらの申し出を受けてくれました。
話をすると、どうやらおいらと同じ、まだヴァナ・ディールで降り立ったばかりで、Mさんも初パーティだったようです。

お互いパーティの組み方がわからず、二人して向かい合ったまま、しばらくNPCの様なその場に立ち尽くす人々になっていました。おいらもそうでしたが、たぶんMさんも画面の向こうでマニュアルをめくっていたのだと思います。しばらくして、なんとかパーティを組むことが出来ました。おいらは白魔導師。Mさんはたぶん前衛系のジョブだったと思います。

おいらたちは近くの敵に斬りかかります。
最初はミミズかウサギを相手にしていたと思います。
初めてのパーティプレイで無我夢中な操作だったので、詳しい戦闘内容は覚えてませんが、最初の戦闘は勝ちました。

パーティのなにがメリットなのかもよく解かっていなかったのですが、他人と供に戦い勝利した。これだけでなにかとても強くなった様な気がしました。たぶんMさんも同じような気持ちだったのかもしれません。

そこで、おいらたちは、近くの(見た目が)少しだけ強そうなオークに戦いを挑むことにしました。

FFXIでは、戦闘を始める前に相手の強さを調べて、倒せる相手かどうか判断することが出来ます。

ですが、その頃のおいらはまったく相手のつよさを調べていませんでした。というか、つよさを調べるシステム自体知らなかったのだと思います。

相手になったオークはモンクタイプなのでしょうか?。怒りをあらわにしてして、ブンブン大きな両手の拳を振り回します。おいらは直感的に、”強い”と思いました。きっと、ちゃんとつよさを調べていれば、”つよそうだ”と表示されていたに違いありません。こちらのHPゲージの減り具合が、ミミズやウサギとは格段に違います。

でも、こっちも二人です。HPゲージの具合から行くと、勝てるかどうか微妙なラインでしたが、戦闘不能確定ではありませんでした。

白魔導師のおいらも殴りながら、ケアルをMさんに唱えます。

何とか勝てるさ。

そう思った瞬間、

ジュワワワワ

なにか酸で溶かされるような音ともに、Mさんの体に黒い霧のようなエフェクトが走りました。おいらは、何が起こったのかわかりません。

ゴオォォォォォォ!!

また、どこかで魔法詠唱の音が聞こえます。
よく見ると、モンクタイプのオークの肩越しに、魔法を唱える魔導師タイプのオークが、こちらに向けて魔法を唱えているのでした。

敵もパーティ?

いや、俗にリンクと呼ばれる、同種のモンスターが襲われると、その戦いに加わるという、この世界のモンスターに多く見られる現象なのですが、そんな言葉すら知らないヴァナ・ディール新米冒険者の二人。

おいらは完全にパニックに陥りました。

チャットして、作戦を立てるか?
逃げるのか?
Mさんとなんとか、意思の疎通を・・・。

ですがチャットもままらない二人には、相手の攻撃は速すぎました。
魔導師のオークの攻撃魔法においらたちはあっけなく崩れ落ちました。

おいらたちを倒した二匹のオークは、何事も無かったかのごとく去って行きます。

でも、なんとなくおいらには満足感がありました。
つたないパーティプレイだったけど、とても楽しかったのを覚えています。

きっと、Mさんもそうだったのでしょう。

「負けちゃったね。」
「難しいね。」
「また、よろしくです。」
「うんまたね~。」

しばらくその場に倒れこんだまま、そんなやりとりをして各自のホームポイントへ帰還して行きました。

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思い出話#2 初めてのフレ

2002年6月2日の事

二日目を迎えた、おいらのFFライフ。
白魔道士としていくらかの経験値を稼いでいたのかも知れないけれど、まだレベル2か3になったばかり。
どちらかというと、レベル上げよりもまだ、広大なサンドリアの街を歩く事だけで精一杯な感じだったと思います。
当時のオイラにはまだまだサンドリアの構造が把握できなくて、迷ってばかりでした。

魔法はどこで売ってるのかいな?

RPGなら町のどこかで魔法を売っているはずです。迷いに迷ったあげく、やっとこさMAPに魔法のお店のマークを発見しました。
サンドリア港の東側、モグハウスから右に曲がっていく階段の途中です。

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ルジヌの魔法屋。

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扉を開けて、中に入ると二人のNPC魔法を売っているようです。
他に人はいないのか? 
あたりを見渡すと、おいらと同じ種族のタルタルの女の子がいます。

ところで、町を歩く時にいろいろな種族のプレイヤーを見ます。

大きく力強そうでありながら、優しそうな感じのガルカ族。
リアル人間と同じ姿のヒュム族。
猫耳でやたらと顔の小さいミスラ族。
ファンタジーでは定番のエルフの様な姿で背の高いエルヴァーン族。
そして、我らがタルタル族。

タルタル族は、他のファンタジーで言えば、小人の姿をしたホビット族とかになるのでしょうか。
魔法の能力に長けた種族です。

当たり前ですが、FFXIはオンラインゲームです。NPC以外のキャラクターは、画面の向こうで誰かが操作しています。
このころは、まだ北米でのサービスが始まっていない時なので、PCはほとんど日本人ということになります。

なにか話しかければ、なにか答えてくれるかもしれない。

こんな、初々しい気持ちでどきどきして期待しながら、

でもなんか失礼あったらやだなあ とか
チャット打つの遅いしなあ とか

いらぬ心配と緊張でなかなか話しかけられない、当時のおいら。
でもタルタル族には、ちょっと声をかけやすかったのです。なぜなら・・・

同じタルタルですね~。

と、共通の話題を出せたからです。
ですから、最初の頃おいらが声をかけた種族は圧倒的にタルタルが多かったのでした。

その、魔法屋で出会ったタルタルの女の子にも、声をかけました。
どんな話をしたのかは覚えていないけど、たぶん・・・

魔法って、ここでしか売っていないのかな? とか
高いね~ とか
おいらは白魔導師、君は黒魔導師をやっているのか~ とか

そんな会話だと思います。しばらくして二人とも魔法屋を出ました。(本当に初々しいね)

それから、おいらは港を探検していました。
閉まって、まだ動いていない競売。その横にいるチョコボ。

おおお、チョコボだあ。いつか、こいつに乗れるのかなあ?

HPのクリスタル。とりあえず設定してみよう。
料理屋に行ったら、野兎のグリルがどうのこうの。どうやらクエのようです。
誰もまだ降りてこない飛空艇が、定期的に入出港を繰りかえしています。
フナを持ってきてくれという兄弟らしきNPCが釣果を競っていたり。
そこから東側の対岸を見ると、人影が見えます。

あっちの人は、なにか情報くれるかなあ?。
とそこへ行くと、なにやら見たことのあるタルタルの女の子。

あ、魔法屋で会った人だ~。すげー偶然!!。

いや当時は本当に偶然に思えたのです。
これだけ広いエリアです。(当時の感じ方)
一度会ったプレイヤーとまた再会出来るとは思っていなかったのです。(当時の感じ方)
今思えば、港のみのエリアで、各自一回りするうちにまた会っただけの事ですが。
(-_-)

一度、話したことのある人だったので、ちょっと話しやすかったのでしょう。
おいらは、また話しかけました。

FFXIはプレイヤーの名前は、キャラクターの頭にアルファベットで表示されます。
おいらの場合は もみじ なので Momiji と表示されます。
おいらの様に、ローマ字でしかも簡単な読み方は、あんまり間違えられる事はありませんが、英語表記で表している人などですと、こちらの知識がないばかりに、間違えて読んでしまうことが有ります。

先ほども書いたように、失礼があったらやだなあという緊張感があるので、読み方がはっきりしない場合は、きちんと聞くことにしていました。(まあ、間違えようのない名前だったのですが、万が一を考えて・・・)

*****て読み方でいいのかな?

タルタル女の子は、それで合ってると答えてくれました。

おいらの場合、昔からドラクエやFFなどの名前を付けられるゲームの主人公はみな もみじ でしたが、その人は後で聞いた話だとリアルのニックネームを使ったという事だったと思います。

この広いヴァナ・ディールで2度会うことの奇跡をなんとか出来ないものか?。
あ、そうだ、フレンドリストとかなんとかいう機能があったよなあ。

マニュアルを片手に、フレンドリストの項目を見ながら、
フレンド登録してみない?と聞いてみました。

OKの返事をもらえたので、フレンドリストの項目から、もたつきながらもなんとか相手にメッセージを送ってみました。
当時のフレンド登録の手順は今よりも洗練されていなく、少しわかり難い感じがあったのを覚えています。

向こうからも、フレ登録のメッセを送ってもらって、登録したのかしてないのかよくわからん状態でいろいろしてしばらくすると、フレンドリストの項目に相手の名前が見えます。

どうやら、成功したようです。つまりヴァナ・ディールでのはじめてのフレンドです。

フレンドの名前は・・・。
いや、いくらリアルネームでないにしても、ヴァナ・ディールという世界で活動している人達です。
ここに記したことによって、その人達の活動を妨げることになるかもしれないので、キャラクターの名前は頭文字だけの表記にしましょう。

ということで、タル女C。
おいらにとって、はじめてのフレが出来ました。

後にこのタル女Cとは、ヴァナでいろいろな経験をすることになりますが、それはまた別の話で。

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2002年6月 1日 (土)

思い出話#1 ヴァナ・ディールに立つ

2002年6月1日の事

記念すべきこの日、ヴァナ・ディールにおいらは降り立ちました。
ガルカとタルタルで1時間ほど迷った挙句、白魔法に魅力を感じ白タルサンドリア所属としてのスタートでした。

最初にヴァナの地を踏みしめたのは、サンドリアの港。
薄暗い港の冷たい石畳。方向もわからず、その場でくるくる駆け回ったのを覚えています。
NPCに話しかけ訳もわからずクエを受け、どう行ったのかわからないけど、北サンドリアから西ロンフォールへ。

最初に、言葉を交わしたPCはLv5のミスラさんでした。

おいら「レベル5ですか。すごいですねえ。」
ミスラの人「すごくなんかないですよ。すぐ、あがりますよ。」

こんな会話が初チャット。

ふと見ると目の前に二人のPC。種族は覚えていないけど、男キャラでヒュムかエルヴァーンだったと思います。

ずきゅうんんん。バリバリ。ドーン。

なんの効果音だったのだろう?。今思えば挑発とか魔法とか不意打ちあたりのエフェクトだったのだったのかな。
失礼ながら、じろりと見てみると15前後のレベル。サポートジョブもなんかついてるぞ。
(このころは、サポートジョブがレベル11で取得できたのです。)

まだこの地に来て間もないおいらには、「すんげーーーーーー!!!」の一言。

靄に覆われた西ロンフォールの森。どこまでも果てしなく広がっているように感じました。

『おいらも、いつかこの森をぬけて世界を旅するんだ』

そんなおいらの目の前に、一匹のミミズ。初の戦闘。
殴ってみるけど、あまり効かない・・・。それどころか、こっちのHPがどんどん削られていきます。
なにか魔法がないか試そうとしますが、コマンドがどこにあるかすらわからない状態。

逃げようとしますが、なんか体がミミズを中心にぐいぐい向いていちゃって、うまく逃げられない!。(敵にロックされていることを後に知る。)

『だめだ!!』

HPは見る見る減って行き、ついに0に。
おいらは、その場にかわいいお尻をさらけ出し、戦闘不能に。

これが、初戦闘。
すべてが初めてな体験。

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